月面の所有


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   Lunar Embassy

 アメリカにLunar Embassyというサイトがあり、そこではジョークで月面を分譲しています。
 購入すると、ちゃんとした証書類が送られてきました。こういった冗談を本格的に楽しむのが、いかにもアメリカ人らしいところです。
 なお、僕の記念すべき初めてのネットショッピングが、この月面不動産でした。
 聞くところによると、トム・ハンクスも月面のオーナーだとか。


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   「月面証書」翻訳文
「輝ける月面」の権限によって承認されたこの証書は、月面10セルキャスの分譲を証明する。

この証書は、以下に記された月面不動産のために発行する。

月面不動産の詳細
 D-8区域、 チャーリー地区、地区番号461
 この物件は、公定月面図上の北西矩、南021街区東021街区に位置する。
 (10セルキャスは、およそ1,777.58エーカーに等しい)

この証書は、アメリカ合衆国カリフォルニア州リオ・ビスタの「月大使館」の定めにより、先に挙げた物件の所有者として認知される者の名において作成された。
この証書は、所有者の裁量による決定の上で、譲渡、取引、分配が可能である。
この証書は、証書上に正しい様式でチーズ主席(デニス・M・ホープ)のサインと印がある場合のみ、月面不動産規則に対して有効である。

この売買契約は、「輝ける月面」の総統治機関、「リアルター委員会」によって承認された。



   「月面憲法権利章典」翻訳文
前文
我々(月面所有権が個人的発展という利己的必要性に一致する、月面の地主)は、この権利章典によって、完全な自己規則のための全体的な概念を確立する。我々がそれを知り得るならば、我々は支配的規則の無益に対し極めて発達した洞察力を持つ、学問的な集団である。この知識をもって、我々は自由と月世界への発展の継続を、徹底的な行動により最大限に保証する。

権利章典
1.貴方は、貴方の心によって導かれた権利を有する。人間の尊厳と名誉を求め、幸福と言論の自由と信仰と資産経営とを追い求める権利を有する。
2.貴方は、貴方が望む如何なる生命体に対しても、土地収益に関する権利を有する。
3.貴方は、貴方との借地契約を守らない生命体を、如何なる場合においても立ち退かせる権利を有する。
4.貴方は千年が経過するまでの間、チーズ主席の意志を記した書簡を受け取らない限りにおいて、自由に土地所有権を他者へ譲渡する権利を有する。

憲法
第1条
我々の政府は、多くの地主が利益構造を熱望するという前提に基づいている。その理由により、月面はチーズ主席として知られる一個人によって治められる。その地位は本来的なものであり、もたらされたものでも、要求されたものでもない。チーズ主席の地位は、永遠にデニス・M・ホープの名において認知される。
第2条
我々は「黄金律」によって治める。「他者が貴方に為す事を、貴方も他者に為すべし」。この規則を守らぬ者は、罰則として6時間、米国の月面作業車に拘束する事とする。
第3条
チーズ主席は、幸福とさらなる利益の追求を果たすため、憲法改正を行う権利を有する。
第4条
都市建設においては、月面を荒らすとして地下に建設を求めるものとはしない。
第5条
月面への旅行を計画(3日かそれ以上の期間)している場合、いかなる地主とその客も、チーズ主席より月面滞在の許可を得なければならない。
第6条
ゴミを散らかす者、貯蔵目的で月面を使用する者には、高額の罰金を課す事とする。またこれらの罰金は、課せられてより5日以内にチーズ主席に納める事。
第7条
時にチーズ主席は、地主あるいは他の宇宙生命体に対して宣戦布告をし得るが、これは対外援助を求める為の手段に過ぎない。

結語
この公文書は、1980年11月22日、月の独立記念日であるこの日に記された。この公文書により私は、憲法と権利とを親愛なる月面人に保証する。



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